プロパンガスと都市ガスの違いをわかりやすく比較|原料・料金・安全性まとめ

自宅でガスを使っているけれど、「プロパンガスと都市ガスって何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか。実は、原料も供給方法も料金の仕組みも、両者には明確な違いがあります。

この記事では、プロパンガス(LPガス)と都市ガス(天然ガス)の違いを、原料・熱量・供給方法・物理的性質・災害時の強さ・料金の6つの視点からわかりやすく比較します。ご自身の自宅がどちらのガスを使っているか確認する方法もあわせて解説します。


プロパンガスと都市ガスは何が違う?基本の違いをわかりやすく解説

まずはプロパンガスと都市ガスの基本を押さえましょう。

プロパンガス(LPガス)とは

プロパンガスは、正式名称を「液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas=LPガス)」といいます。原油の精製過程や天然ガスの採掘時に副産物として取り出されるガスで、主成分はプロパンとブタンです。

常温常圧では気体ですが、圧力をかけることで液体になり、小さなボンベに大量のガスを詰め込めるのが特徴です。住宅地や山間部など、都市ガスの導管が届いていない地域で広く利用されています。

参考:一般社団法人日本ガス協会「LPガスとは」

都市ガス(天然ガス)とは

都市ガスは、天然ガス(メタンを主成分とする化石燃料)を原料とするガスです。地下のガス田からパイプラインで採取され、全国各地の導管ネットワークを通じて各家庭に供給されます。

液化石油ガスとは異なり、常温常圧で気体のまま長距離輸送されるのが特徴です。都市部を中心に、地下に埋設された導管を通じて安定供給されています。

参考:一般社団法人日本ガス協会「都市ガスとは」

原料・成分の違いをまとめると

両者の原料・成分の違いをシンプルに整理すると、以下のようになります。

項目 プロパンガス(LPガス) 都市ガス(天然ガス)
主成分 プロパン・ブタン メタン
原料の由来 原油精製時の副産物・天然ガス採掘時の副産物 地下ガス田からの天然ガス
呼び方 LPガス、液化石油ガス 天然ガス、13Aなど

このように、そもそも原料と成分が異なるため、熱量や物理的性質にも違いが生まれます。詳しくは次のセクションで解説します。


プロパンガスと都市ガスを5つの視点で比較

ここからは、プロパンガスと都市ガスを5つの視点で具体的に比較していきます。

①熱量(カロリー)の違い

プロパンガスの熱量は、都市ガスの約2倍です。これは同じ体積のガスを比較した場合、プロパンガスの方が多くのエネルギーを含んでいることを意味します。

ただし、ここで注意したいのは「熱量が2倍だから火力も2倍になるわけではない」という点です。各家庭で使用するガス機器(コンロや給湯器など)は、プロパンガス用と都市ガス用でそれぞれ専用の設計になっています。同じガス機器を使う限り、火力や調理のしやすさに違いはありません。

参考:一般社団法人日本ガス協会「ガスの性質」

②供給方法の違い

プロパンガスと都市ガスの最大の違いの一つが「供給方法」です。

  • プロパンガス:ガスをボンベに詰め、トラックで各家庭まで配送する「ボンベ配送方式」
  • 都市ガス:地下に埋設された導管(パイプライン)を通じて各家庭に直接供給する「地下導管方式」

プロパンガスはボンベ単位で供給されるため、導管の敷設されていない地域でも利用できるという強みがあります。一方で、定期的なボンベ配送が必要になるため、配送コストが料金に反映されます。

③物理的性質の違い(重さ・液化温度)

物理的な性質にも明確な違いがあります。

性質 プロパンガス(LPガス) 都市ガス(天然ガス)
空気に対する重さ 空気より重い(約1.5倍) 空気より軽い(約0.6倍)
液化温度 常温で圧力をかければ液化(約-42℃以下で大気圧でも液化) -162℃以下で液化(LNG)

プロパンガスは空気より重いため、万が一漏れた場合は低い場所に溜まりやすいという性質があります。一方、都市ガスは空気より軽いため、上方に逃げる性質があります。

この性質の違いは、ガス漏れ検知の仕組みにも影響します。

④ガス漏れ検知の仕組みの違い

プロパンガスと都市ガスはどちらも無色無臭ですが、安全のためにあえて臭い(付臭剤)を付けています。いわゆる「ガス臭い」と感じるあのニオイです。

プロパンガスのガス漏れ警報器は、ガスが低い場所に溜まる性質に合わせて床近くに設置されます。都市ガスの警報器は、ガスが上方に逃げる性質に合わせて天井近くに設置されるのが一般的です。

このように、それぞれの物理的性質に応じて検知の仕組みが設計されています。

詳しくは「プロパンガス 特徴 臭い ガス漏れ 検知」の記事もご覧ください。

⑤災害時の強さの違い

プロパンガスは災害に強いという特徴があります。その理由は、ボンベ配送という供給方式にあります。

都市ガスは地下導管で供給されるため、大規模な地震や災害が発生した場合、導管の損傷によって広範囲でガス供給が停止するリスクがあります。実際、過去の大地震時にも都市ガスの供給停止が発生しています。

一方、プロパンガスは各家庭に独立してボンベが設置されているため、導管の損傷による影響を受けません。 ボンベにガスが残っていれば、インフラが復旧するまでの間もガスを使い続けることができます。

この「個別供給の独立性」が、プロパンガスが災害に強い最大の理由です。

詳しくは「プロパンガス 特徴 災害 に 強い 理由」でも解説しています。


プロパンガスと都市ガスの料金比較

多くの方が気になるのが料金の違いです。プロパンガスと都市ガスの料金には、なぜ差が生じるのかを解説します。

なぜプロパンガスは単価が高いのか

プロパンガスの料金単価は、都市ガスと比べて高めに設定される傾向があります。その背景には主に3つの要因があります。

  1. 配送コスト:ボンベをトラックで各家庭まで配送するため、人件費や車両費がかかります
  2. 事業者規模:都市ガス事業者は大規模な導管インフラを持つ企業が多い一方、プロパンガス事業者は中小規模の業者が多く、規模の利益が働きにくい傾向があります
  3. 料金自由化:プロパンガスの料金は自由化されており、事業者が独自に価格を設定できるため、同じ地域でも事業者間で料金にばらつきが生じます

詳しくは「プロパンガス 特徴 単価 高い 理由」の記事もご覧ください。

料金の自由化と事業者間のばらつき

プロパンガスの小売料金は原則自由化されており、各事業者が独自に料金を設定しています。これは消費者にとって選択の自由がある反面、事業者間で料金差が大きいという側面もあります。

都市ガスも2017年に小売自由化が完了しましたが、導管インフラの性質上、地域ごとの供給独占が続いているケースが多く、料金体系は比較的均一です。

一方でプロパンガスは、同じ市区町村でも事業者によって基本料金や従量単価が異なることが珍しくありません。だからこそ、事業者を比較して適正な料金かどうかを確認することが重要になります。

自分のガス料金が適正か確認する方法

では、実際にご自身のガス料金が適正かどうかをどう確認すればよいでしょうか。

まずは以下のステップを試してみてください。

  1. ガスの検針票や請求書を確認する:基本料金と従量単価(1m³あたりの料金)を把握します
  2. 周辺地域の平均料金と比較する:プロパンガスの全国平均単価は約500円/m³前後ですが、地域や事業者によって大きく変動します
  3. 複数の事業者に相見積もりを取る:同じエリアでも事業者間で料金が異なるため、比較することで適正価格の目安がわかります

もっと手軽に確認したい場合は、エネピの無料料金診断をご利用ください。お住まいの地域と現在のガス使用量を入力するだけで、適正料金の目安を簡単にお調べいただけます。


プロパンガスと都市ガス 一目でわかる比較表

これまでの解説をまとめた比較表です。

比較項目 プロパンガス(LPガス) 都市ガス(天然ガス)
主成分 プロパン・ブタン メタン
熱量 約24,000kcal/m³(都市ガスの約2倍) 約11,000kcal/m³(13Aの場合)
供給方法 ボンベ配送 地下導管
液化温度 約-42℃以下で大気圧でも液化 -162℃以下で液化(LNG)
空気に対する重さ 重い(約1.5倍) 軽い(約0.6倍)
臭い 付臭剤でガス漏れを検知可能(同様) 付臭剤でガス漏れを検知可能(同様)
災害時の強さ 強い(ボンベ個別供給で独立) 導管損傷時は供給停止リスク
料金傾向 単価が高め、事業者間でばらつきあり 比較的安定、地域ごとに一定

出典:一般社団法人日本ガス協会「ガスの基礎知識」に基づき作成


プロパンガスと都市ガス どちらを選ぶべき?

住環境によって選べる場合と選べない場合

プロパンガスと都市ガスは、必ずしも自分で選べるわけではありません。住環境によって、利用できるガスの種類はおおむね決まっています。

  • 都市ガスが通っている地域:基本的に都市ガスを利用
  • 都市ガスの導管が届いていない地域:プロパンガスを利用

つまり、住んでいる場所によって自動的に決まるケースが多いということです。新築住宅を建てる場合や引越しの際は、その地域でどちらのガスが利用できるかを不動産業者やハウスメーカーに確認しましょう。

ご自宅がプロパンガスか都市ガスかを確認するには、以下の方法があります。

  • ガスメーターの種類を見る:ボンベが屋外にあればプロパンガス、道路に埋まったパイプから繋がっていれば都市ガス
  • ガスの検針票や契約書を確認する:「LPガス」「プロパンガス」または「都市ガス」「天然ガス」の記載があります
  • ガス会社に問い合わせる:契約中のガス会社に確認するのが最も確実です

プロパンガスのメリットを活かすポイント

プロパンガスを利用している場合は、その特徴を理解した上で賢く活用しましょう。

  • 災害に強い:ボンベ個別供給の独立性は、地震や台風の多い日本において大きな強みです
  • 高い熱量を活かした調理:熱量が高いプロパンガスは、火力を求める調理に適しています
  • オフグリッドでも利用可能:導管インフラに依存しないため、山間部や離島でも安定供給が可能です

プロパンガスのメリットについては「プロパンガス 特徴 メリット 一覧 まとめ」でも詳しく解説しています。

ただし、料金面では事業者間のばらつきが大きいため、現在の料金が適正かどうかの見直しが重要です。

LPガス 乗り換え きっかけ」「LPガス 乗り換え タイミング いつ」の記事も参考にしてください。


まとめ:プロパンガスの特徴を理解して賢く選ぶ

プロパンガスと都市ガスの違いについて、要点を振り返ります。

  • 原料が違う:プロパンガスはプロパン・ブタン、都市ガスはメタンが主成分
  • 熱量が違う:プロパンガスは都市ガスの約2倍の熱量を持つが、専用機器を使えば火力は同じ
  • 供給方法が違う:プロパンガスはボンベ配送、都市ガスは地下導管
  • 物理的性質が違う:プロパンガスは空気より重い、都市ガスは空気より軽い
  • 災害時の強さが違う:プロパンガスはボンベ個別供給で災害に強い
  • 料金傾向が違う:プロパンガスは単価が高めで事業者間のばらつきが大きい

プロパンガスと都市ガスにはそれぞれ異なる特徴があり、住環境に応じて使い分けられています。プロパンガスをご利用の方は、まずはご自身のガス料金が適正かどうかを確認してみましょう。

エネピでは、プロパンガスの料金比較・事業者切替を無料でサポートしています。 お住まいの地域の適正料金を知りたい方、現在のガス会社の料金が高いと感じている方は、ぜひエネピの無料診断をご活用ください。

プロパンガス 特徴 液化石油ガス 違い」「プロパンガス 特徴 カロリー 高い 料理」の記事もあわせてご覧ください。