プロパンガスと都市ガスの料金比較|世帯人数別・地域別の月額差を徹底解説

プロパンガスと都市ガスの月額料金には、世帯人数や地域によって数千円〜1万円以上の差が生じることがあります。「プロパンガスが高いのでは」と感じている方や、引っ越し先のガス選びで迷っている方に向けて、具体的な数字で両者の料金差を比較します。

本記事では、総務省統計局や日本ガス協会のデータをもとに、世帯人数別・地域別の月額料金差、料金制度の違い、プロパンガスの料金を下げる方法まで詳しく解説します。なお、安全性の比較についてはプロパンガスと都市ガスの安全性の違いを別記事で詳しく解説しているため、本記事では料金に焦点を絞ります。

プロパンガスと都市ガスの料金はどれくらい違う?結論から解説

結論から言うと、プロパンガスの月額料金は都市ガスより平均で1.5〜2倍程度高くなる傾向があります。世帯人数が多いほど月額差は拡大し、4人世帯では月に5,000円以上の差が出るケースも珍しくありません。

世帯人数別の月額平均料金比較(プロパンガスvs都市ガス)

総務省統計局「家計調査」や日本LPガス団体連合会のデータを参考にした世帯人数別の月額平均料金は以下の通りです。

世帯人数 プロパンガス(月額) 都市ガス(月額) 月額差額
1人世帯 約5,500〜6,500円 約3,000〜3,500円 約2,500〜3,000円
2人世帯 約7,500〜9,000円 約4,000〜5,000円 約3,500〜4,000円
3人世帯 約9,500〜11,500円 約5,500〜6,500円 約4,000〜5,000円
4人世帯 約11,000〜13,500円 約6,500〜8,000円 約4,500〜5,500円

※プロパンガスの料金は契約業者により大きく変動するため幅を持たせて表示しています。都市ガスの料金は地域・事業者により異なります。

出典:総務省統計局「家計調査」、日本ガス協会「ガス事業便覧」、日本LPガス団体連合会「LPガス価格等調査」

世帯人数が増えるほど料金差は拡大する理由

世帯人数が増えるとガス使用量が増加しますが、料金差が拡大する主な理由は従量単価の違いです。プロパンガスの従量単価は都市ガスの約3〜4倍であるため、使用量が増えるほど従量料金の差が大きく積み上がります。

例えば、1人世帯で月額2,500円の差が4人世帯では5,000円以上に拡大するのは、この従量単価の差が使用量に比例して増えるためです。基本料金の差は数百円〜千円程度ですが、従量料金の差が全体の大部分を占めます。

プロパンガスと都市ガスの料金制度の根本的な違い

料金差の背景には、制度面の根本的な違いがあります。この違いを理解することが、適正なガス料金を見極める第一歩です。

都市ガスは「総括原価方式」の公共料金

都市ガスは総括原価方式という料金制度を採用しています。これは、ガス事業者が適正な原価に基づいて料金を算出し、政府(経済産業省)がこれを認可・監視する仕組みです。

総括原価方式の主な特徴:

  • 料金改定には国の認可が必要
  • 事業者の過大な利益を防止する仕組みがある
  • 料金の透明性が高く、不当な価格設定がされにくい

この制度により、都市ガスの料金は公共料金として一定の水準に保たれています。

プロパンガスは「自由料金制」で業者が価格設定

一方、プロパンガスは自由料金制が採用されています。2017年のガス事業法改正により、LPガス販売の料金規制は原則として撤廃され、各事業者が自由に価格を設定できるようになりました。

自由料金制の主な特徴:

  • 各業者が独自に基本料金・従量単価を設定
  • 国の認可は不要
  • 業者間で料金に大きなばらつきが生じる
  • 消費者が適正価格を見極める必要がある

自由料金制自体は価格競争による料金低下を促す狙いがありますが、実際には地域によって競争環境が異なり、必ずしも料金が下がるとは限りません。プロパンガスが高い!と驚いたら確認すべき4つのことも参考に、ご自身の料金が適正かどうかを確認してみてください。

事業者数の違いが価格競争に与える影響(都市ガス193社vsプロパンガス16,825社)

経済産業省のデータによると、都市ガス事業者は全国で約193社(一般ガス事業)、一方でプロパンガス販売事業者は約16,825社に上ります。

一見すると事業者数が多いほど競争が激しくなり料金が下がりそうですが、プロパンガスの場合は地域ごとに独占・寡占状態になりやすい構造的な特徴があります。これは以下の理由によるものです。

  • 配送ルートが限定的で、特定業者がエリアを囲い込みやすい
  • 消費者が他社の料金を比較しにくい情報の非対称性がある
  • まとまった顧客獲得競争が起きにくい

その結果、事業者数が多いにもかかわらず、必ずしも価格競争が十分に機能していない地域が存在します。

出典:経済産業省「エネルギー白書」、資源エネルギー庁「LPガス販売事業」統計

基本料金と従量単価を項目別に比較

ガス料金は「基本料金+従量料金」で構成されます。それぞれの項目で両者を比較してみましょう。

基本料金の比較:プロパンガス約1,900〜2,200円 vs 都市ガス

項目 プロパンガス 都市ガス
基本料金(月額) 約1,900〜2,200円 約700〜1,800円
差額 プロパンガスが約300〜1,000円高い傾向

※基本料金は契約メーター口径や事業者により異なります。都市ガスの基本料金はメーター口径に応じて設定されることが多く、プロパンガスは一律設定が一般的です。

出典:日本LPガス団体連合会「LPガス価格等調査」、日本ガス協会「ガス事業便覧」

基本料金はガスを使わなくても毎月かかる固定費です。プロパンガスの基本料金が高い理由には、ボンベの貸与費や保安点検費などが含まれている点が挙げられます。

従量単価の比較:プロパンガス約620〜900円/m³ vs 都市ガス

項目 プロパンガス 都市ガス(12A・13A)
従量単価 約620〜900円/m³ 約140〜250円/m³
単純比較 プロパンガスが約3〜4倍高い

※従量単価は契約業者・地域・使用量により大きく変動します。都市ガスは段階制料金(たくさん使うほど単価が下がる)を採用している事業者が多いです。

出典:日本LPガス団体連合会「LPガス価格等調査」、各都市ガス事業者料金表

従量単価の差が月額料金差の最大の要因です。ガスを多く使う世帯ほど、この従量単価の差がダイレクトに月額に反映されます。

熱量の違いを踏まえた実質的な単価比較(プロパンガスは熱量が約2.23倍)

ここで注意が必要なのが、プロパンガスと都市ガスでは同じ1m³でも熱量が異なる点です。

ガスの種類 熱量(発熱量)
プロパンガス(LPガス) 約24,000kcal/m³
都市ガス(12A・13A) 約10,750kcal/m³

プロパンガスは都市ガスの約2.23倍の熱量を持ちます。つまり、同じ体積でもプロパンガスはより多くのエネルギーを含んでいます。

これを踏まえて熱量あたりの単価で比較すると:

  • プロパンガス(700円/m³ ÷ 24,000kcal)= 約0.029円/kcal
  • 都市ガス(200円/m³ ÷ 10,750kcal)= 約0.019円/kcal

熱量で調整しても、プロパンガスの方が約1.5倍程度高いという結果になります。単純なm³単価の差(3〜4倍)ほどではありませんが、それでもプロパンガスが高額になりやすい傾向は変わりません。熱量の詳細な技術解説はプロパンガスと都市ガスの熱量の違いで詳しく解説しています。

地域別の月額料金差を比較(4人世帯モデル)

ここでは4人世帯をモデルに、地域別の月額料金差を比較します。データは各種統計や調査を参考にした概算値であり、実際の料金は契約先により異なります。

関東・近畿・中部の料金差

地域ブロック プロパンガス(月額) 都市ガス(月額) 月額差額
関東 約11,500〜13,000円 約6,500〜7,500円 約5,000〜5,500円
近畿 約11,000〜12,500円 約6,200〜7,200円 約4,800〜5,300円
中部 約11,500〜13,000円 約6,500〜7,500円 約5,000〜5,500円

関東・近畿・中部は都市ガスの供給エリアが広く、プロパンガス事業者間の競争も比較的活発な地域です。そのため、プロパンガスの料金も比較的抑えめの傾向にありますが、それでも都市ガスとの差は月5,000円前後と大きいです。

東北・北海道の料金差

地域ブロック プロパンガス(月額) 都市ガス(月額) 月額差額
東北 約12,500〜14,000円 約7,000〜8,000円 約5,500〜6,000円
北海道 約13,000〜15,000円 約7,200〜8,200円 約5,800〜6,800円

東北や北海道は冬季の暖房需要が大きく、プロパンガスの使用量が増える傾向があります。また、配送コストの影響でプロパンガスの従量単価が高めに設定されるケースが多く、都市ガスとの差額がさらに拡大しやすい地域です。

中国・四国・九州・沖縄の料金差

地域ブロック プロパンガス(月額) 都市ガス(月額) 月額差額
中国 約11,000〜12,500円 約6,300〜7,300円 約4,700〜5,200円
四国 約11,500〜13,000円 約6,500〜7,500円 約5,000〜5,500円
九州 約11,000〜12,500円 約6,200〜7,200円 約4,800〜5,300円
沖縄 約12,500〜14,000円

沖縄は都市ガスの供給エリアが非常に限定的で、大多数の世帯がプロパンガスを利用しています。そのため都市ガスとの比較が困難な地域です。供給エリアの詳細はプロパンガスと都市ガスの供給エリアの違いを参照してください。

地域によって差額が変わる理由

地域ごとに料金差が変わる主な要因は以下の通りです。

  • 都市ガスの供給密度:大都市圏は供給設備の効率が良く、都市ガス料金が抑えられる傾向がある
  • プロパンガスの配送距離:離島や山間部は配送コストが高くなる
  • 気候による使用量の差:寒冷地は暖房用ガス使用量が増加する
  • 地域の競争環境:プロパンガス事業者が少ない地域では料金が高くなりやすい

出典:総務省統計局「家計調査」、経済産業省「エネルギー白書」

プロパンガスの料金が都市ガスより高い4つの理由

プロパンガスの料金が都市ガスより高くなりやすい背景には、複数の構造的な要因があります。

理由1:自由料金制による価格設定のばらつき

前述の通り、プロパンガスは自由料金制です。一部の事業者は適正価格を上回る料金を設定しているケースがあります。日本LPガス団体連合会の調査でも、同一地域内で従量単価に2倍以上の差が見られる例が報告されています。

消費者が料金を比較する機会が少ないため、価格競争が十分に機能していない状況が生じやすいのです。LPガスの乗り換えを考える5つのきっかけ|あなたに当てはまる?今すぐ確認すべきサインも参考に、ご自身に当てはまるきっかけがないか確認してみてください。

理由2:配送・保管コストがかかる

都市ガスは地下の導管を通じて各戸に供給されますが、プロパンガスはボンベに詰めてトラックで配達する仕組みです。この配送・保管に関わるコストが料金に上乗せされています。

  • ボンベの製造・検査・貸与費用
  • 配送用トラックの燃料・人件費
  • ボンベ保管スペースの確保費用

特に離島や山間部では配送距離が長くなり、これらのコストがさらに増加します。

理由3:供給エリアの制約と競争環境の違い

プロパンガスは配送ルートが限定されるため、特定のエリアを特定の業者が独占しやすく、十分な価格競争が起きにくい構造的課題があります。都市ガスは導管による供給のため、エリア内の全戸に一様にサービスを提供できますが、プロパンガスは戸建て住宅中心の供給になりがちです。マンションでのガス選びについてはプロパンガスと都市ガス マンション どっちを選ぶべきかで詳しく解説しています。

理由4:季節変動が大きい

プロパンガスの原料であるLPG(液化石油ガス)は国際商品として取引されており、為替レートや原油価格の変動の影響を直接受けます。特に冬場は需要が集中するため、価格が上昇する傾向があります。

都市ガスも原料価格の変動はありますが、総括原価方式による価格安定化の仕組みがあるため、季節変動は相対的に小さくなります。

プロパンガスから都市ガスへの変更は可能?費用の目安

プロパンガスから都市ガスへの変更を検討している方にとって、気になるのは工事費用と変更の可否です。変更に伴う費用の詳細はプロパンガスから都市ガスへの変更費用でも解説しています。

変更に必要な配管工事費(10〜20万円程度)

プロパンガスから都市ガスに切り替えるには、配管の引き込み工事が必要です。この費用は住居の状況により大きく異なります。

工事内容 費用の目安
配管引き込み工事 約10〜20万円
ガスメーター取り付け 配管工事に含まれることが多い
屋内配管の改修 必要に応じて別途

※道路をまたぐ工事が必要な場合は、さらに費用がかさむ場合があります。引っ越しを機に検討する場合はプロパンガスと都市ガス 引っ越し時に選ぶポイントも参考にしてください。

ガス機器の出力変更費用(4,000〜7,000円程度)

プロパンガスと都市ガスはガスの種類が異なるため、既存のガス機器(コンロ、給湯器など)の出力変更(口径調整)が必要です。

機器 出力変更費用の目安
ガスコンロ 約4,000〜7,000円
ガス給湯器 約4,000〜7,000円
ガスファンヒーター 約4,000〜7,000円

※機器の種類によっては、出力変更ではなく買い替えが必要な場合もあります。

都市ガス供給エリア外の場合は変更不可

最も重要な前提条件として、都市ガスの供給エリア外に住んでいる場合は変更自体ができません。都市ガスは導管で供給するため、地下のガス導管が敷設されていない地域では利用できません。

全国の約95%の世帯にLPガスが供給可能である一方、都市ガスの供給エリアは人口集中地域に限られています。自分の住居が都市ガスの供給エリア内かどうかは、最寄りの都市ガス事業者に問い合わせることで確認できます。

プロパンガスのままで料金を下げる方法

都市ガスへの変更が難しい場合でも、プロパンガスのままで料金を大きく下げる方法があります。

ガス会社の切り替えで年間数万円の削減が可能

プロパンガスは自由料金制であるため、ガス会社を切り替えることで料金を大幅に削減できる可能性があります。適正価格で提供する事業者に乗り換えることで、基本料金や従量単価の両方を下げられるケースが多くあります。

実際に、ガス会社の切替えを検討するきっかけとして多いのは、「他社との料金差に気づいた」「引っ越しを機に見直したい」といったケースです。LPガスの乗り換えはいつするべき?損しない最適なタイミングを5つの視点から解説LPガス乗り換えの割引・キャンペーン完全ガイド|2026年最新のお得な特典と受け取り手順もあわせてご覧ください。

エネピ利用者の実際の削減実績(世帯人数別)

エネピを利用してガス会社を切り替えた場合の、世帯人数別の平均的な削減実績の目安は以下の通りです。

世帯人数 月額削減額の目安 年間削減額の目安
1人世帯 約1,500〜2,500円 約18,000〜30,000円
2人世帯 約2,000〜3,500円 約24,000〜42,000円
3人世帯 約2,500〜4,000円 約30,000〜48,000円
4人世帯 約3,000〜5,000円 約36,000〜60,000円

※削減額は現在の契約料金や使用量、新たに契約する事業者により異なります。

4人世帯の場合、年間で最大6万円程度の削減が見込めるケースがあります。この金額は、都市ガスとの差額を大きく縮める可能性を示しています。

無料で適正料金を確認する方法

現在のプロパンガス料金が適正かどうかは、エネピの無料適正料金診断で簡単に確認できます。まずはご自身の現在の料金が適正範囲内かどうかを確認することをおすすめします。

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まとめ:プロパンガスと都市ガスの料金差を正しく理解して対策を

プロパンガスと都市ガスの料金比較について、主なポイントをまとめます。

  • 月額料金差:世帯人数に応じて月額2,500〜5,500円程度の差(プロパンガスが高い)
  • 料金制度の違い:都市ガスは総括原価方式(国が認可)、プロパンガスは自由料金制(業者が自由設定)
  • 従量単価の差:プロパンガスは都市ガスの約3〜4倍(熱量調整後でも約1.5倍)
  • 地域差:寒冷地や離島ほどプロパンガスが高くなり、差額が拡大する傾向
  • 変更費用:都市ガスへの変更には配管工事費10〜20万円程度がかかる
  • 削減の可能性:ガス会社の切り替えで年間数万円の削減が可能なケースが多い

都市ガスへの変更が難しくても、ガス会社の切り替えで年間数万円の削減が可能です。 まずはエネピの無料診断で、ご自身のガス料金が適正かどうかを確認してみてください。

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