「こまめに消す」だけでガス代はどれくらい安くなる?機器別の年間節約額を資源エネルギー庁データで試算

「こまめに消すだけでガス代が安くなる」とよく耳にしますが、実際どれくらいの効果があるのでしょうか。結論から言うと、シャワーを1分短くするだけで年間約3,210円ガスファンヒーターの使用を1日1時間減らすだけで年間約2,150円の節約になります。本記事では、資源エネルギー庁の公開データに基づき、ガスファンヒーター・シャワー・ガスコンロなど機器別の年間節約額を具体的に試算します。

「こまめに消す」だけでガス代は本当に安くなるのか

読者が気になる「つけっぱなしvsこまめに消す」の結論

「つけっぱなしにするより、こまめに消す方がガス代が安くなる」——これは事実です。

資源エネルギー庁の「家庭の省エネ診断」データでも、使用していない時間にガス機器を稼働させ続けることは無駄なエネルギー消費につながると明示されています。特にガスファンヒーターと給湯器(シャワー)は消費ガス量が大きく、こまめに消す効果がダイレクトにガス代に反映されます。

「再点火のときにガスを余分に使うから、つけっぱなしの方がお得」という声もありますが、これについては次章で詳しく検証します。

この記事でわかること:機器別の年間節約額

本記事では、以下の内容を資源エネルギー庁のデータに基づいて解説します。

  • 「再点火の方がガス代がかかる」という誤解の真相
  • ガスファンヒーターをこまめに消す年間節約額:約2,150円
  • シャワーをこまめに止める年間節約額:約3,210円(ガス+水道)
  • ガスコンロの火加減・消すタイミングによる年間節約額:約390円
  • 給湯器の設定温度調整による年間節約額:約1,430円

各項目の詳しい解説は、ガス代を安くするコツ総括でも体系的にまとめています。

「再点火の方がガス代がかかる」は本当?誤解を検証

点火時に余分に消費されるガス量の実際

「ガス機器を再点火するとき、点火の瞬間に通常より多くのガスが消費されるから、つけっぱなしの方が安い」という説を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、この説は誤解です。

ガス機器の点火時に消費されるガス量は、数秒間のパイロットバーナー着火分にすぎず、通常の燃焼数秒分程度です。資源エネルギー庁のデータでも、再点火時の余分なガス消費はごくわずかであり、空き時間が長くなるほど「消しておく」ことの節約効果が圧倒的に大きいことが示されています。

つまり、こまめに消すことで節約できるガス量 > 再点火時に余分に消費されるガス量 が常に成り立ちます。

何分以上の空き時間なら消す方がお得か

目安として、数分以上の空き時間があれば消す方がお得です。

空き時間の長さ こまめに消すか 理由
数秒〜数十秒 そのままでも可 節約効果が小さく、煩わしさが勝る
1〜2分 消すことを推奨 再点火のロスを上回る節約効果
3分以上 必ず消す 節約効果が明確

ガスファンヒーターやシャワーなど消費量の大きい機器では、1分以上の空き時間でも消すメリットがあります。一方、ガスコンロで数秒の隙間ならそのままでもよいでしょう。

この「再点火 ガス代 つけっぱなし 比較」については、長年の誤解が根強いですが、科学的根拠に基づけばこまめに消す方が常に有利です。

ガスファンヒーター|こまめに消す効果が最も大きい

ガスファンヒーターは、家庭用ガス機器の中で最も消費ガス量が多く、こまめに消す効果がダイレクトにガス代に反映されます。詳しい冬場の節約術は冬のガス代を安くする11の節約コツでも解説しています。

1日1時間短縮で年間約2,150円の節約

資源エネルギー庁のデータに基づく試算では、ガスファンヒーターの使用時間を1日1時間短縮すると、年間約2,150円の節約になります。

条件 試算内容
1時間あたりのガス消費量 約0.38m³(強設定時)
プロパンガス単価 約580円/m³(全国平均)
1日1時間短縮の年間節約額 約2,150円
1日2時間短縮の年間節約額 約4,300円

プロパンガス(LPガス)の単価は都市ガスより高いため、同じ使用時間の短縮でも節約額が大きくなります。

外出・就寝の15分前に消す「早めのOFF」が効果的

ガスファンヒーターは、設定温度に達した後も室温を維持するためにガスを消費し続けます。そのため、外出や就寝の15分前に消す「早めのOFF」が効果的です。

  • 外出時:出かける15分前に消す。残熱で十分に暖かい状態を維持できます
  • 就寝時:寝る15分前に消す。布団に入る頃にはちょうどよい温度に
  • 部屋を移動する時:その都度こまめに消す

この「早めに消す」習慣を6ヶ月間(暖房シーズン)続ければ、1日あたりの短縮時間が蓄積して大きな節約につながります。

設定温度1℃下げると年間約1,320円さらに節約

こまめに消す行動に加えて、設定温度を1℃下げることで年間約1,320円の追加節約が可能です。資源エネルギー庁のデータによると、暖房の設定温度を1℃下げることで約10%の消費エネルギー削減効果があります。

設定温度の変更 年間節約額(目安)
1℃ダウン 約1,320円
2℃ダウン 約2,640円

こまめに消すことと設定温度の見直しを組み合わせることで、ガスファンヒーターだけで年間約3,000〜5,000円の節約が見込めます。

シャワー・給湯器|こまめに止めるだけで年間約3,210円

給湯器は家庭のガス消費の約6割を占める最大のガス使用機器です。シャワーの使い方を少し変えるだけで、年間数千円の節約になります。詳しくはシャワーの使い方を変えるだけでガス代が安くなるでも解説しています。

シャワー1分短縮の年間節約額(ガス約2,070円+水道約1,140円)

資源エネルギー庁のデータに基づく試算では、シャワーの使用時間を1分短縮するだけで、年間約3,210円の節約になります。

内訳 年間節約額
ガス代の節約 約2,070円
水道代の節約 約1,140円
合計 約3,210円

1分短縮といっても、シャワーをこまめに止める習慣を身につけるだけで達成できます。具体的には以下のような行動が効果的です。

  • 髪や体に泡を塗っている間はシャワーを止める
  • 石鹸やシャンプーを泡立てている間は止める
  • 最後のすすぎだけシャワーを使う

4人家族で各員が1分短縮すれば、年間約12,840円の節約になります。

給湯器リモコンスイッチをこまめに切る効果

給湯器のリモコンには「入/切」スイッチがありますが、多くの家庭では常に「入」のままにしています。

給湯器はリモコンが「入」の状態だと、お湯が使われていなくても自動的に保温のためのガス消費を行います。特にお風呂の残り湯を保温する機能(自動おいもり)は、意識せずにガスを消費し続ける原因になります。

  • お風呂に入り終わったらリモコンを「切」にする
  • 朝・昼など長時間お湯を使わない時間帯はリモコンをオフ
  • 自動おいもり機能を使わず、入りたい時間にだけ追い焚き

この習慣だけで、月に数百円の節約につながります。

給湯器の設定温度を2℃下げるだけで年間約1,430円

給湯器の設定温度を2℃下げるだけで、年間約1,430円の節約が可能です。

多くの家庭では給湯温度が42〜43℃に設定されていますが、40〜41℃でも十分に快適に使えます。資源エネルギー庁のデータでも、給湯温度を1℃下げることで約5〜7%のガス消費削減効果が確認されています。

現在の設定 推奨設定 年間節約額
43℃ 41℃ 約1,430円
42℃ 40℃ 約1,430円

給湯器の効率についてさらに詳しく知りたい方は、給湯器の効率でガス代を安くする完全ガイドをご覧ください。

ガスコンロ(キッチン)|調理の合間に消す効果

ガスコンロは1回あたりのガス消費量が比較的少ないため、こまめに消す効果はファンヒーターやシャワーより小さくなります。それでも、日々の積み重ねで年間数百円の節約になります。調理時の詳しい工夫は料理時のガス代を安くする10の工夫で解説しています。

強火→中火調整で年間約390円の節約

資源エネルギー庁のデータに基づく試算では、ガスコンロの火力を「強火」から「中火」に調整するだけで年間約390円の節約になります。

火力の調整 年間節約額
強火→中火 約390円
中火→弱火(可能な場面) さらにプラスα

多くの調理場面では、強火は必要ありません。特に以下の場面では中火で十分です。

  • 煮込み料理:沸騰後は弱火〜中火で十分
  • 炒め物:具材に火が通ったら中火に落とす
  • 茹で物:沸騰後は中火で維持

点火は鍋を乗せてからが基本

ガスコンロでこまめに消す以前に、まず意識したいのが点火のタイミングです。

空焚き(鍋を置かずに点火する状態)は、ガスを無駄に消費するだけでなく、鍋底を傷める原因にもなります。正しい手順は以下の通りです。

  1. 鍋やフライパンをコンロに置く
  2. 点火する
  3. 調理を始める

これだけでも、年間を通して無駄なガス消費を減らせます。

数分以上の空き時間は消す、数秒の隙間はそのままが目安

調理中の「こまめに消す」タイミングの目安は以下の通りです。

空き時間 判断 具体例
数秒 そのまま 鍋をかき混ぜる合間
30秒〜1分 消してもよい 野菜を洗う間
数分以上 必ず消す 電話に出る、別作業をする

ガスコンロの「こまめに消す」効果は1回あたり小さくても、毎日の調理で年間を通せば確実な節約につながります。

機器別の年間節約額まとめ|どこをこまめに消すと効果的?

機器別の節約額一覧表

これまでの試算をまとめると、以下の通りです。

機器・行動 節約アクション 年間節約額(目安)
ガスファンヒーター 1日1時間使用時間を短縮 約2,150円
ガスファンヒーター 設定温度を1℃下げる 約1,320円
シャワー(給湯器) 1分短縮(ガス+水道) 約3,210円
給湯器 設定温度を2℃下げる 約1,430円
ガスコンロ 強火→中火に調整 約390円
合計(全実施) すべて組み合わせ 約8,500円

最も効果が高いのはシャワーとガスファンヒーター

機器別に見ると、シャワー(給湯器)とガスファンヒーターのこまめに消す効果が圧倒的に大きいことがわかります。

この2つは家庭のガス消費の大部分を占めるため、使用時間の短縮やこまめな消す行動がダイレクトにガス代に反映されます。特にこまめに消す ガス代 年間いくらと気になる方は、まずはシャワーとガスファンヒーターから取り組むことをおすすめします。

上記の行動改善をすべて実践しても年間約8,500円程度です。行動改善は大切ですが、ガス会社の料金見直しでさらに大きな節約が可能です。次章で詳しく解説します。

なお、季節ごとの詳しい節約策はガス代を季節別に安くする対策まとめ、一人暮らしの方は一人暮らしのガス代を安くする10のポイントも参考にしてください。

こまめに消す行動に加えて見直したいガス会社の料金

プロパンガスは単価が高いため節約行動の金額効果が大きい

ここまで「こまめに消す」行動改善による節約額を見てきました。しかし、プロパンガス(LPガス)をご利用の場合、節約行動の金額効果が都市ガスよりもさらに大きくなります

その理由は、プロパンガスの単価が都市ガスより高いためです。同じガス量を節約しても、プロパンガスの方が節約金額が大きくなります。

項目 都市ガス プロパンガス
平均単価(1m³あたり) 約170〜250円 約450〜700円
1m³節約した場合の月額効果 約170〜250円 約450〜700円

つまり、プロパンガスの家庭では「こまめに消す」行動がより大きな金額効果につながります。

行動改善+会社切替で年間数万円の節約も可能

「こまめに消す」行動改善で年間約8,500円の節約が見込めますが、ガス会社の見直し(乗り換え)を組み合わせることで年間数万円の節約も可能です。

プロパンガスの料金は供給会社によって大きく異なり、適正料金の会社に切り替えるだけで月額2,000〜5,000円、年間で24,000〜60,000円の節約につながるケースがあります。

行動改善だけでなく、ガス会社の見直しも検討してみませんか。

エネピでは、プロパンガスの無料料金シミュレーションを実施しています。 現在のガス料金が適正かどうかを簡単にチェックでき、適正料金の会社への切替もサポートします。

  • 無料で現在の料金を診断
  • 適正料金の会社を紹介
  • 切替の手続きもサポート

まずはエネピの無料料金シミュレーションで、あなたのガス代がどれくらい安くなるか確認してみましょう。プロパンガスの乗り換えを検討するきっかけについては、LPガス 乗り換え きっかけでも詳しく解説しています。


まとめ

「こまめに消す」は確実にガス代を安くする効果があります。特に以下の行動は年間数千円の節約につながります。

  • シャワーを1分短縮:年間約3,210円
  • ガスファンヒーターを1日1時間短縮:年間約2,150円
  • 給湯器の設定温度を2℃ダウン:年間約1,430円
  • ガスコンロを強火→中火:年間約390円

行動改善とガス会社の見直しを組み合わせることで、年間数万円の節約も目指せます。まずはできることから始めてみませんか。